高校生の時、
化学の担当の先生にちょっと憧れていました。
特にオトコマエというわけではないけれど、話し上手で、
面白くて生徒との距離もええ感じの先生でした。
タイプやったんです笑
先生と仲良くなりたくて、
昼休みや放課後に、質問しに行くことにしました(作戦古!)
ところがバリバリの文系だったわたしは、
化学なんてまったく興味もなく、
分からないところも分からず、何を聞けばいいかも分からずただヘラヘラし、
挙句先生に「質問するときは勉強してから来い!」と追い返されました笑
そうか、分からないと質問もできないのか!
このままではただのアホな変態です!!
わたしは参考書まで買って、授業の復習もし、勉強しました。
時間はかかったけれど、
一つ一つ知っていくと、
じゃあこういう時はどうなるんだろう?とか、ここはどう考えればいいんだろう?とか、
少しづつ「質問」ができるようになってきました。
次はこれを聞こう!
質問ができると嬉しかったし、先生も熱心に教えてくださったし、
わかるとどんどん面白くなってもっと知りたくなるし、
おかげで化学のテストはいつもほぼ満点に近い成績でした!(意味不明)
「何も分からないと質問ができない」
このことは、いい大人になってからもわたしの中に残りました。
ある事柄に対して、
そのことを分からない人よりも、分かっている人の方が「分からないこと」が多い。
分かりにくいですね笑。
例えば、
わたしはデザインのことを分かっています。
ですがわたしの母は、デザインのことは分かりません。
だからわたしの母は、デザインのことで「分からないこと」がないのです。
わたしの方が母より、デザインに対して「分からないこと」がたくさんあるのです。
あ!もっとわかりやすい例が。
セミナーや講演会の後で「何か質問のある方」と言われた時、
その内容をまったく理解できないと質問ができないですよね。
質問する人は、理解したから疑問が生まれたんだと思うのです。
なんでこんな話をしたかというと、
お客さまへのヒアリングが苦手というクリエーターさんが結構多いのです。
おお、やっとブログらしくなってきた!笑
お仕事の打ち合わせに行ったけれど、
聞くべきことを聞けなかったり、何をどう聞いたらいいのか分からない、
で、その後の進行が思うようにいかない。
イメージ共有ができず何度もリテイクを繰り返す。
いろいろ原因はあるとは思うのですが、
もしかしたら「質問下手」になってるのかもしれません。
質問は、興味と理解の循環によって生まれるのだと思います。
わたしの化学の勉強は、化学に興味を持つことが第一歩でした。
まぁ動機は不純だったけれど、
質問するためには化学を知ることから始めるしかありませんでした。
知らない世界を知ることで、
疑問が湧いてきたり、もっと深く知りたくなったのだと思います。
興味を持つ原動力は何か、それは「好奇心」です。
好奇心がないと、何かを知りたいと思ったり興味を持つことはできません。
お客さまのことを知りたいと思うこと、
お客さまの業界や好きなことに興味を持つこと、
そこから「質問」は生まれるのです。
趣味でも勉強でも、そして仕事でも、
知りたいと思うから聞いて理解して、知れば知るほどもっと知りたくなるのです。
「質問」がどんどん増えてくるのです。
ヒアリングは、
単に案件の仕様や条件だけを聞くためのものではなく、
お客さまが求めていることを理解し、形にするための情報をいただくためのものです。
あなたのことが知りたいです、と一歩近づくためのものです。
赤ちゃんが言葉を覚えるように、
好奇心で心をいっぱいにして向かい合いましょう。
何を聞いていいのかわからない、
それはまだその世界の外にいるからです。
いいんです、これから扉を開ければいいんです。
「知れば知るほど、知らないことが増えていく」
ヒアリングの醍醐味を、ぜひ味わっていただきたいです。