今わたしが辞めたら、会社はどうなるんだろう。
昔勤めていた会社を出産退職する時、おこがましくもそんな心配をした。
自分の持っている案件の継続、クライアントさんとのお付き合い、後輩はうまくやってくれるだろうか…
だけどそんな心配はまったく空振りに終わった。
会社は自分がいなくても、残った人たちがちゃんと回してくれていた。
トイ・ストーリー4をつい最近になってようやく観た。
シリーズ当初から、おもちゃたちの個性的なキャラクターが魅力的で、
中でも主人公であるウッディは、自他ともに認めるおもちゃたちの頼れるリーダー。
どんな時も、おもちゃは子供に楽しく遊んでもらうことが幸せな使命であり、
持ち主が変わってもおもちゃの存在意義は変わらないと、初心を貫いてきたのです。
また、リーダーとして仲間をまとめ、親友バズとともにいろんな問題を解決してきたのでした。
ある時、脱走した新入りを追いかけて彷徨ううち、
遊園地で昔離ればなれになってしまったボー・ピープと再会します。
過酷な環境を生き抜いたボーはすっかり逞しくなって、持ち主のない自由な生き方を楽しんでいたのです。
ウッディは彼女から、世界の広さを教わります。
だけど、持ち主のために新入りを連れ戻すことを使命と考えるウッディは、
自分の幸せのために生きるべきと言うボーの考え方との狭間で大いに葛藤するのです。
自分がいなくなったら持ち主はどうなるのか、
仲間たちの面倒は誰が見るのか、
自分は誰のために生きるべきなのか。
生きるということは、変わり続けることだと思うのです。
環境が変わる、事業を拡大する、転職する、
人生には何度も転機が訪れ、その度に取捨選択を迫られます。
もしあなたが、今までと違う生き方をしたいと感じたら、
新たに目指す目標が見つかったのなら、
迷わず旗を立て、お世話になった方々に感謝し、進めばいいのです。
もちろん多くの壁が立ちはだかることもあるでしょう。
でも、自分がいなければ…の呪縛や甘えを解くのは自分しかいないのです。
初志貫徹という言葉にも縛られなくていい。
人は、時の流れとともに変わるものなのです。
ウッディは、新入りを連れ戻した後、おもちゃたちの元に戻ろうとします。
持ち主への忠誠心と、リーダーとしての使命感に縛られていた彼の迷いを察したのは、
他でもない、苦楽をともにしてきた親友バズでした。
彼はウッディの気持ちを受け入れ、背中を押します。「お前がいなくても大丈夫だ」と。
ウッディは生まれて初めて、
仲間と離れ、ボーとともに自分のために生きる決断をしたのです。
日本ではこのエンディングに賛否両論あるようですが、
自分の幸せのために新たに旅立つ主人公と、
それを心から喜び送り出す仲間、
こんな素晴らしいエンディングはないと思うなあ…
変わることは悪ではない。
変わることを責めてはいけない。